友達とわいわい騒ぎながらキャンパス内を歩く。


「………あ、講堂に忘れ物してきた。俺、とってくるわー」

「直人どんくせー!俺ら先行ってるから~」


おー!と返事をし、講堂に向かう。

ったく、忘れ物とか本当についてないわ。


まだ覚えていないキャンパス内を、記憶だけをたよりに歩く。



「たしかここを曲がって…………って、ぅわ!?」

「えっ?………きゃっ」


まさか人が来ると思わず、思いっきり来た人とぶつかる。


「ってぇ………。あ、大丈夫!?ごめん!」

「いたた………。あ、大丈夫です!こっちこそごめんなさい……!」


ぶつかった子はペコペコと頭を下げて謝ってくる。


曲がり角でぶつかるなんて、なんてベタな……。
しかも、この年になって経験するとは……。



「えっと……君1年だよね?名前は?」

「あ、えと、城山美和です!あなたは……?」

「俺は如月直人。美和ちゃんと同じ1年だよ。よろしく!」

「はい!よろしくお願いします!」