「まぁ、とりあえず、どっちもどっちってことかな」

「………うん、そうだね」


二人して顔を見合わせ、笑いあった。


「それにしても、ちょっとラッキーかも。舞華の本心聞けて。
キス、たくさんしてほしいんだろ?」

「ちょ、それは………!」

「ん?なに?嫌なの?」


ニヤニヤと笑いながら、そういう裕。

裕がこんなに意地悪だったなんて……!


「い………嫌じゃない………」

恥ずかしくて、もごもごと言いながら俯く。


「ふっ。舞華可愛い」

「ちょ、からかわないでよっ」


そう言って裕のほうを見た瞬間、


私は、彼に唇を奪われた。



「んっ………!ちょ、いきなり……!」

「別にいいだろ?今度から、抑えたりしねぇから。
とりあえず、今夜は離さねぇわ」


そう言い、またキスをする裕。
でも、いつもと違うのは深い深いキスだということ。




あぁ、もう。


優しくて、意地悪で
たまに強引な彼に


_____私はさらに溺れてゆくのだろう。




【完】