顔を蹴るモモ様のヒールの痛みが──




くすぐったい

ニャア
ポニョポニョ
プニプニ



頬をつつく肉球

爪を立てないように、優しく柔らかく頬をつついてはニャアと鳴く。

目を開けると、僕を覗きこむ一匹の白い短毛種の綺麗なメス猫がいた。

「……モモ……」

僕が呼ぶと

なう
と鳴いて黒目を細めた。

「夢か……」

長い尻尾を、扇を扇ぐように揺らすモモを抱き上げ、自分の胸の上に置く。

「面白い夢を見たんだよ。モモが日本足で立って服を来て喋るんだ。それで僕はモモの下僕なんだよ」

なー

面白い夢ね
とでも言ってるようにモモはまた目を細める。

僕はモモの喉元を撫でたり背中を擦ったりして、ぼんやりとベットの上で時間を過ごす。



至福の時。