あっというまに授業が終わった。

 「はー。つかれた!」

 「あずーかえろー!」

 「あ、凛ちゃん。わかった!」




 「今日はつかれたー。」

 「なんで?」

 「え?だって、凛ちゃんと洸ちゃんが転校してくるんだもん。

 つかれたよー」

 「・・・そやな。」

 「でさぁ、いい加減その『凛ちゃん』いうのやめへん?」

 「え?」

 「だから、もう普通に呼び捨てでええよ」

 「・・・凛!!」

 「・・・! そーゆーカンジやで!」


 後ろから声がした。

 「凛ーあずー!おいてくなよー!」

 そしたら、凛ちゃ・・・じゃなかった。凛が小声でいった。

 「洸はうち以外呼び捨てで呼んでもらったことないから、よんだったら

 ごっつい喜びよんで。」


 「・・・」

 そうなんだ・・・呼び捨てで呼ばれたことないんだ。

 じゃあ・・・

 「あ・・・!洸!!」

  ピタッ。

 洸の足が止まった。

 「今・・・洸って呼んだか?」

 「あ・・うん」

 「ナ~イス!あず!」

 「ちょ、洸!」

 洸は走って抱きついてきた。

 「ヤバイ!めっちゃうれしい!ありがとーな、あず!」


 「・・・うん!」







    うれしいのは、あたしのほうだっつーの!