「そういえば
チャリの鍵… ん?」


一瞬にして
奥村くんの表情は曇った。


「どうしたの…?」

「鍵、ねぇ」

「ええっ!!?」


それって
一大事なことすぎる!


「俺、探してくる!!
じゃあっ」


奥村くんはそう言って
階段を登って行った。



わっ…早い…

って!感心してる場合じゃなくて!



「奥村くん、ちょっと待って!!」


私は図書室の鍵を閉めながら
大きな声を出した。

誰もいないから
まるでトンネルの中にいるくらい
響いた。

奥村くんの動きが
ピタリと止まる。