「俺、モテないよ」


床に落ちたシャーペンを
拾いながら言う奥村くん。


「そんなことないよ。
だって、私のクラスの女の子たちは
いつも奥村くんの話ししてて、
なんか"俊足の王子様"って呼ばんでるよ!」


私は必死に否定した。


「俊足じゃねぇんだけど…
ってか押水さん、ネグセ…」


指を指された部分を
触ってみた。


「!」


私は鏡を見てピョンとなっていた
ネグセを急いで直した。

そして鏡に映る時計を見て
あわてて振り返った。


17:35


「奥村くん!!部活は?」


今日、文化部以外は部活あるんじゃ…


「今日はヨッシー休みだから
部活ないんだよ。
C組の数学の時間、自習じゃなかった?」


ヨッシーって
北澤先生のことだよね。
陸上部の顧問で数学教師の。


「自習だった」

「だろ」



ニッと笑う奥村くん。