「先輩…これ…いいんですか?」

「うん。食べて」

「ありがとうございますっ!」

私は嬉しくて
おもいっきり頭を下げた。

「あはは!つばさは甘いもの好きだから
ちょうど良かったわ」

先輩は可愛く微笑んだ。


「つばさちゃんっていうの?
俺、吉田大輔! よろしくっ」

吉田先輩は満面の笑みで
握手を要求した。

「押水つばさです」

そう言って握手をした。

「なあ。彼氏いる?」

「!いえ…」

「うっわ超ラッキー!!
じゃあ好きな人とかいる?」


好きな人…

ポンッと浮かんでくる人物像


「…」


私は黙りこんでしまった。


「つばさちゃん?」


吉田先輩が私を不思議そうに
見つめる。


「はーい。吉田、いくらなんでも
突然すぎ。アホか。
つばさが困ってんじゃん」


瞳先輩が
重い空気を割ってくれた。