――――――――突然、静まり返った教室。

荒々しくドアを開け入って来たのは荒川 稜輝。

「うわ…荒川じゃん…」

ボソッと呟く芽衣。

荒川稜輝とは、学年一の俺様野郎…。

学校にも余り来ないし…何やってんだか…。

の割りに成績は学年一位。顔も整っててモテるんだって。

「荒川って…なんかイヤな感じ。」

不意に言ってしまったそんな言葉…それをあの人が聞いていると知らずに…。

「おい…今何つった??お前…うぜぇんだけど…」

一番やばい奴に聞かれてしまった…私はゾクッとしたんだ…。

「やめろよ。女の子にそんな口の利き方はやめろー??稜輝ぃ」

と…笑いながら言ってきたのは、遠藤 晃。

荒川稜輝の連れ???っていうか…親友なんだって…。

学校一の女ったらし。だと言われている。

「あ゙??って晃かよ…誰かと思ったし…」

荒川って遠藤くんには弱いんだぁ…。

って、え!?!?待って…今遠藤くんがかっこいいって思った…。

なんで!?!?荒川は荒川なのに遠藤は遠藤くんなの???

「あっ、ありがとう…っ」

恥ずかしいキモチを抑えてやっとのことで言えた、不器用なありがとう。

「ん??あぁ、気にしないで、祐璃ちゃん♪じゃあまた!!」

“祐璃ちゃん”。ただ名前呼ばれただけなのに…。

心臓がドキドキ…これってなんだろう…恋…なの!?!?

えっ…学校一女ったらしに私は恋しちゃったんだ…。


「ちょっと!?!?祐璃ぃ!?!?」

芽衣はずっと私を呼んでたみたいだった…。

「あっ、ごめん!!で、何??」

「なっ、何じゃなくて…大丈夫??」