「……失礼します。」
「大澤先生…、あの、プリント…。」
私は担任に向かってプリントを差し出した。
「おー、ありがとう。」
「じゃあ失礼します。」
あれ、渋谷先生いない…?
朝はいないのかな。
そう思って出ようとしたら
先生の机にあるキーホルダーに
目が行った。
「あれ…?」
これお姉ちゃんも持ってなかったっけ?
確か前逢った時にお姉ちゃんのカバンについていたのだ。
なんで渋谷先生が同じ物を持っているんだろう。
「どうした?前田?」
担任に声をかけられて
「あ、すすみませんっ!失礼しますっ」
逃げるように職員室を出た。
