「山だよ、“サウリーマウンテン”」

ビクビクと怯えながらそう答えるマーティー。

……山か……しかも“サウリーマウンテン”

あそこは世界規模で見ても大きい。
一つの国位の面積。
それに加え、その山頂は雲を軽々と突き抜けているのだ。

……まいったな。
何年かかるか分かんねぇ。
っていうか、そんな広大な場所で手に乗るほど小さな物が見つかるのか?

「……サウリーマウンテンのどこら辺にあるか分かるか?」

スタージャは、少し口調を穏やかにしてマーティーに問う。

「“サウリーに有りしは、メラメラと燃えるような紅。
黄、青、赤が集いし時、その鍵現る。貴様の赤で燃えつくせん。”」

穏やかな口調に少し安心したのかマーティーは先ほどよりも声が大きくなっていた。

そして、自慢げな表情。
“そんなことも知らないのか?”と、スタージャを見下しているのだ。

うぜぇ。
けど、ここは我慢するしかない。
なんたって、“ルビー”の為なのだから。

「……それは何だ?言い伝えか?」