「……マーティー。さっさと言え。
お前は敗者。あたしは勝者。勝者の言うことは絶対なんだよ。」

スタージャは掴んでいた胸倉を乱暴に放す。
それによってマーティーは地面に勢いよくしりもちをつく。

「っつ……」

腰を擦りながら顔をしかめているマーティー。
だけど、そんなことは構わない。
スタージャが知りたいのは“ルビー”のありか。

すっと鞘から剣を抜き、スタージャはマーティーの首へと向ける。

「……話せ。
殺されたくないのならな。
あ?今すぐ死にたい?殺してやろうか、今ここで。」

スタージャは、ふっと片方の口角を上げ笑う。
それは、どんな極悪人よりも残酷な身が凍るような笑みだっただろう。

「……や……」

動いたかどうか分からないほど口を小さくもごもごと動かすマーティー。

……聞こえねぇっつうの。
まったく、何でこんな奴が長なんかやってんだ?
もっと他にましな奴いるだろう。

そう思っては溜め息が出る。

「……もっと大きな声で話せ。聞こえねぇんだよ。」