バリアを通り抜けた炎は草木に燃え広がり、たちまち辺りは火の海となる。
激しい音をたて、燃え広がる炎。
それから逃れようと逃げ惑う山賊。

スタージャはその様子を見て、「……もう、勝負はついた。」と低い声で呟いた。

そして、ブラーから飛び降りてこつこつと足音をたてながら山賊の長の元へ歩いていく。

ゆっくりと、一歩ずつ。
まるで逃げ惑う山賊たちをあざ笑うかのように、地面を踏みしめる。

そんなスタージャの後についてくる“ドラゴン”の男たち。

スタージャのこつこつという足音に、
ざっざっというやけに揃った男たちの足音が合わさり、異様な緊迫感を醸し出す。

“殺るか殺られるか”という、シンプルな世界。
勝者は生き延び、敗者は死ぬと相場は決まっているのだ。

それゆえに、一分一秒を大切に生きなければならない。
明日には死ぬかもしれない身。

今日出来ることは今日やる。
それが、この戦場で生き延びる為には大切で。