まぁ、そう思うのも無理ないだろう。

そのバリアが張られたために、
“ドラゴン”は得意とするドラゴンを使った攻撃が出来ず、
やむを得ず陸上戦になってしまったのだから。

……しかし、甘い。
あたしのブラーはそこらのドラゴンとは格が違う。
なにせ、“伝説のドラゴン”と呼ばれたブラックドラゴンなのだから。

みしみしと変な音をたて、壊れていくバリア。
その様子を見て、

「な、何でだ?何でなんだ?
バリアを通り抜けるはずがない。
なのに……あぁ!!通り抜けやがった!」

と、何やら喚きながら右へ左へと逃げ惑う山賊たち。

その様は見ていて気分が良い。
戦の醍醐味はこういったところだろう。