「あぁ、またな。」

そう言ってユラはこちらにに背を向けて狭い路地へと消えて行った。

「……あたしも早く帰らなければ。」

そう呟いて路地を抜け、町外れを目指す。

軽快な足取りで街中を走り去る。
先ほどの奴らの姿はもうその場になく、
その場にあるのは飢えている人間のみだった。

少し走ったところでブラーの大きな体が視界に入る。

「ブラー、待たせたな。」

うずくまって寝ていたブラーはスタージャの声に気付いて、目をうっすらと開ける。
そして喉を鳴らして゛乗れ゛と自らの背を鼻先で指した。

その大きな背に跨ったスタージャを確認し、ブラーは空へと大きく羽ばたいた。