「いや……何かどっかで聞いた名だと思って。」

そう言って考えを巡らすユラ。

「……そうか。」

そう言ったスタージャも、何かが引っかかっていた。

心に霧があるような……何か解けない糸が絡みついているような……
必死に解こうとしても解けない糸のようで。

どんなに考えを巡らしてもその何かは分からない。

“このままでは終わらない”
“この先関係を持っていくだろう”
そう感じたのは、何かがスタージャとユラを繋ごうとしているのかもしれない。

「ユラ……本当にありがとう。
町の人たちにも被害が及ばないで済んだ。また……いつか会おう。」

そう、また……
またどっかで会う気がするんだ。
それは明日かもしれないし、何十年も先かもしれないけど。