空賊。

「あぁ、ぴったりだよ。ありがとうございました。」

そう言って頭を下げるおじさんに、少女も一緒になって頭を下げる。

そんなに下げるのかって思うほど頭を下げる少女に、
愛らしいな……と感じてしまう。

「じゃあ……」

そう言って店の扉を開けるスタージャに、
“待って”と可愛らしい声が追いかけてくる。

「これも、お姉ちゃんにあげる。
凄いって言ってくれたでしょう？
私、とっても嬉しかったの。……だから、お姉ちゃんにあげる。」

可愛らしい少女の声と、扉に付いている鐘の音が絶妙に重なり合う。
手渡された小さな瓶を胸に、スタージャは少女の頭を優しく撫でる。

「ありがとう。大事に使うな。」

そう一言告げ、スタージャは扉を潜っていった。