空賊。

おじさんはお店の奥の方に入っていく。
その姿を見送った後、
沢山の薬が並んでいるショウウィンドウを腰を屈めて見る。

「……凄いな、色々な薬がある。」

そう思わず呟いてしまうほど、様々な薬が出揃っていた。
壁や天井にも、至る所に薬がぶら下がっていて見る者を圧倒する。

「凄いでしょ?
ここは、数ある薬剤市場の中でも品数が多いし品質が良いの。」

可愛らしい声がスタージャに向かって飛んでくる。
腰に手を当て、胸を張っている様は“当たり前だ”とでも言っているようだ。

「あぁ、凄いな。こんなに沢山の種類の薬は初めて見た。」

その言葉に、少女はいっそう胸を張る。
顔いっぱいに笑みをこぼし、さも嬉しそうにしている少女。
その様子はとても愛らしい。