第一章 空賊“ドラゴン”


「スタージャ様。スタージャ様!
こちらが劣勢です。もうこれ以上、持ちません。
……我らが敵を足止めします。
一刻も早く戦場からお逃げください。」

凄まじい砂嵐と金属音が響く中、
ブルードラゴンに跨った少年が焦ったように、伝えてくる。

“一刻も早くお逃げください”
その言葉に、スタージャは戦場を見渡してみる。

……確かにが率いスタージャ率いる“ドラゴン”は劣勢だ。
“ドラゴン”はもともと人数が少ない。
それと共に、得意な空中戦ではなく陸上戦を強いられている。

あちらの戦略がこちらより一歩上手だったか……そう思わざるを得ない。

くそったれが!そう思って“ちっ”と、スタージャは軽く舌打ちをする。

めんどくせぇ。
そう思ったが、スタージャの辞書には“敗北”の二文字はない。

やるべきことは一つ。

「お前ら!あたしたちに“敗北”の二文字はねぇ。
何が何でも勝つぞ!」

スタージャはそう叫んで、ドラゴンに跨る。