「…い…っ…
いない…よ……」



私はとっさにウソをついた



「え?」


梨乃はニコニコ笑顔のまま返した。





……いえるわけない…




私は無理矢理笑顔を作ってもう一度言った。




「…ごめんねっ…
私…実は好きな人いないんだっ♪」



笑顔が引き攣(ツ)ってないか心配だった。





「えぇーっ?!
私だけってなんか不公平じゃん…っ!!!!
ひどいっ葵っ!!」




よかった…
笑顔は引き攣ってなかったみたい…。




「ごめんごめんって〜」




梨乃は納得しないみたいでプーっとふくれている。




「じゃーあっ!!
葵に好きな人が出来たら私に言うコトっ!!
わかった?!」




「…わかったよ…(笑)
梨乃に真っ先に言うよ」



…ウソをついてしまった




ごめんね梨乃……





好きな人は一生言えない…かな………