「―――っ、ハァ」 走ってやって来たのは、あの神社。 もうカレは追いかけてきていない。 ゆっくり、10年前は毎日のように上がっていた階段を上がる。 「――――キレイ、」 あの時みたいに、ヒラヒラ散る桜。 あの日みたいに彼はいないけど。