【短編】 初恋








彼が近寄ってくる。





「あのさ、」





迷惑なんだ―――、そう言われる前に、





「人違いでした!」




「……は?」





「顔似てるから、昔の知り人かと思ってました。間違えてすみません。それじゃ、お幸せに」





ニッコリ笑いながら。





「邪魔してすみませんでした。私、行かなきゃいけない所があるので」





――――嘘だよ、





ねぇ、思い出して。