キキ-----------
     ドンッッ


車がスリップする音。
  鈍く何かにぶつかる音。



あたしも押されて、倒れるようにこけた。

「…キャアーーーー」
  愛華ちゃんらしい叫び声。
「大樹!!?! 大丈夫か!?!!?」
「美紀ちゃん…美紀ちゃん!!!!!!」

痛い。痛い。
 動けない… 大樹…。どこにいるの??
「…ッぃた…」
「みき…ッチャン・・・・」

「誰か!!!!きゅ…救急車おねがいします…大樹!!頑張れよ!!」
「美紀ちゃん…ッ頑張って…ッ」
愛華ちゃんに手を握られる。


何が起こったの?? 

 目が、うっすらあいた。
目の前には、愛華ちゃんと、車と、達也君と…野次馬。
  その中に倒れる…  
「ッ!!!だ・・ぃき!!!」
 
頭の中が、混乱。
  まっしろ。

愛華ちゃんが、あたしに大樹が見えないように座った。
  泣きながら…
「…ッだ…いじょうぶだか…ッら」

「…ッ……」


やがて、救急車が到着して、あたしは、気を失った。