何日が経っただろう。
毎日大樹の部屋へ通い続けていた。

話しかけても、返事はこない。
歌っていても、手を握っても…何にもなかった。
それでも、
大樹の手は、温かかった。



部屋に戻り、おばさんが、貸してくれた本をよんでいた。

「ッ!!美紀ちゃん!!大樹が、急変して、危ないって!!!!」
達也君が入ってきて、言った。
「え!??!」

急いで布団から出る。
いそがなきゃ…
走れない身体に苛ついた。

達也君が、肩を貸してくれて、引きづられながら、走る状態。


救急なんとか室。
 だったっけ?
その部屋のまえに、おばさんと、敦史君がいた。
敦史君は、あたしと目が合うと、フッと、そらした。

会うのも…久しぶりだな…。あれいらい、部屋には来てくれない。

「おばさん…」
「……大丈夫よ。…大樹ったら、どれだけ美紀ちゃんに心配かけたいんだろうね。ごめんね。」


返す言葉がなかった。
走った身体には、激痛が走る。
 でも、それ以上に胸が痛んだ。

大樹…お願い。目を覚まして。。。