「……ぃ、…な……ぃ、…紅っ!!」
「はっ、はい」
へっ??
教卓では数学担当の林(はやし)先生が怒りモードに。
あれっ、寝ちゃってたの……
学園祭の準備で疲れてるからかな?
まぁ、それはみんな一緒なんだけどね…。
「疲れてるのは分かるが、授業では寝るなよ。罰としてこの問題を前に来て解きなさい」
先生の指先には問題が書いてあった。私はそこに近付き、チョークを持つ。
んーと、この問題は……
一通り文章を読み問題を確認する。
ふむふむ。
私は滑らすように手を動かす。
「これでいいですか?」
答えを導き先生に問う。先生は答えと私の解答を見比べる。
「……、正解だ」
その言葉を聞き、私は席に戻る。
今が数学でよかった。他の教科だったら絶対に分からないよ。
「もう寝るなよ」
「はい」
これ以上言われたくないから素直に頷く。
