―でも、あたしにはその方が性に合ってるかもしれない。


と、思いながらあたしも本に視線を戻した。


 そして、先輩が次に言葉を発した時はチャイムが鳴る前のことだった。


「あんたっていつもここにいんの?」


「あ、はい。」


「そう。」


なんて会話をした後、先輩は去って行った。


なんか不思議な先輩だなぁ。掴めない人。


そう思いながらわたしは先輩が去って行った扉を見つめていた。