「わたしも読もう。」 そう小さく呟き、本棚からわたしの好きな本を取り出す。 タイトルは、"ひかりの天使"。 病弱な主人公は高校生の時に死んでしまうが、天使になって人間を暗闇から救う、という話。 この本がわたしは大好きだ。 "ひかりの天使"を手に取り、先輩の前に座ってページをめくり始める。 ―そうして、物語の中盤まで進んだ時。 「なぁ、」 声が聞こえた。