―――――――――――― ―――― 授業が終わってチャイムが鳴るとわたし、榎本咲希が向うのは図書室。 この時間はいつも図書室に行く。 図書室の空間がわたしはとっても好き。 しかも、いつもこの図書室には人がいない。 一昨年建てられたばかりの新しい図書室にみんな行っているのだ。 でも、むしろこの空間が好きだ。 だから今日も人がいないと思っていたんだけど―、 ―どうやら、先客がいたらしい。