「本当に、諦めるの?」

聞かれた瞬間、目の奥がツキンと痛んだ。

「まだ、雨は降ってない」

皐の強い目が、私を離さない。

優しい手が、私の手を包んだ。

「葉月の気持ち。これで終りに出来るの?」