「じゃあ、診察するから、服捲って」 私は服を捲るのを躊躇した。 「どうした?恥ずかしい?大丈夫だよ」 彼方の笑顔は凄く安心する。でも…今は無理だよ。 一向に動かない私を見て、彼方は私の服を捲り上げ、聴診器を入れてきた。 「聴診していくから、ゆっくり、深呼吸して」 私は最初の方は喘鳴が聞こえないように呼吸してなかったんだけど、限界で呼吸をした。 しばらく聴診をしていた彼方は、 「奏。俺に言うことは?」 私も、彼方も無言だった。