「目が覚めた?」 入ってきたのは、彼方達だった。 体温計を脇にはさまれると、 「何で仙崎病院にいるの?」 「ん?本当はあっちの病院に連れていこうか迷ったんだけど、俺達は、治療してやれないじゃん。悩んだ結果状態も落ち着いてきたから、連れて帰ったってわけ」 「そうだったんだ。ありがと。色々迷惑かけたね」 私が言うと、 「あたりまえだろ」 そう言った後、体温計を抜き取った。