「もう、答えは出てるじゃん。奏が俺や子供たちをそう思うように、俺も妻は奏以外考えられない。子供たちの母親も奏だけだ。他のどのお母さんより奏が良い。体は弱いかもしれない。一生懸命になりすぎると周りの事が見えなくなるかもしれない。でも、何事にも一生懸命だし、心の優しい、温かい人だよ。奏の笑顔で癒され、次の日も頑張れる。俺の事を支えてくれる、大事なパートナーなんだよ」

彼方の言葉は私の心に入り込んできた。

「ありがとう。私は私だもんね。比べる必要なんてなかったんだ」

わたしもにっこりほほ笑んだ。




「もう一度言うよ。妻もお母さんも看護師もすべてを完璧にこなさなくていいんだよ。仕事が疲れたら、休めばいい。俺もフォローに入るし、空もゆっくり休んでっていうと思う。奏さえよければ、結婚して、子供がいることスタッフに報告してもいいんだからね。たまには子供達預けてデートに行こう。お母さんをお休みして、ただの恋人に戻ろう。亜美ちゃんや杏ちゃんと食事に行ったり、旅行に行ったりしてガールズトークしてもいいんだよ」

私は彼方に相談しなかったことを後悔した。私の事をこんなに考えてくれているのに、私は一切彼方に相談しなかった。