「これから先、何が起こるかわからない。俺が今回みたいに仕事に一生懸命になってたら、気が付かないこともあるかもしれない。でも、これだけは覚えておいて。奏の命より大切なものはない。奏が辛い思いをしてるなら、何よりも早く楽にしてあげたい。奏の事を後回しになんか絶対にしない。これだけは覚えておいて」 彼方は私の頭を撫でてくれた。 「彼方、ごめんなさい。今度からは気を付けるね」 「さあ、奏、熱も高いし、寝た方がいいよ」 彼方に頭を撫でられながら、ゆっくりと眠りに入った」