パパはドクター



その、沈黙を破ったのは私。

「ごめんなさい。喘息発作が出た」


「奏、俺、何回も言ってるよな。発作が出たときはどうしろって言った?喘息発作を甘く見るなっていってるだろ」

彼方は怒っていた。こんなに怒った彼方を見るのは初めてかもしれない。


「ごめんなさい」

私は謝ることしかできなかった。
気づくと、涙が流れていた。
泣いてしまったことで、上手く呼吸ができない。



「奏、ゆっくり、呼吸して」

いつもの温かい彼方の手が私の背中を撫でてくれる。