恋い焦がれ




黒髪で眼鏡。
いかにも優等生くんが何故
石田みたいなちゃらちゃらしてるやつと
絡んでるんだろうか。

「もう4月も終わりだね」
「あっ、あっ、だねー」

急に話を振られた為、私は
大分キョドった。

「ということはー」

「「運動会っ!!!」」

偶然、私と伊野は声を合わせた。

「そっか、5月にあるんだっけ?」

私は伊野の顔を見る。
目が合った。

どきっ




ん、何だ。
今の胸の高鳴りは。
頭にはてなマークを浮かべてると
いきなり伊野が
吹き出した。

「な、何だし……」
「何か、八田堀って面白いね」
「何でよっ!!!」


つい、笑顔になる。

もう少し話していたかった
気持ちもあったのだが
玄関に着いてしまったので、
また裕子と私、伊野と石田に
分かれてしまった。