キーンコーンカーンコーン

一時間目終了の合図が鳴った。
私と燈紀は同時に立ちあがり、
教室を飛び出した。

制限時間は10分。
その間にどちらかが先に石田を
見つける事ができたら勝ち。
負けたほうが勝ったほうに
ジュースをおごるという賭けである。


私は、
まず、自分が隠れそうな所を
探してみようと、
屋上前の扉のほうに向かった。

あそこってなかなか先生通らないし
ナイスな隠れ場所だから、
多分、石田とか絶対居そう。

私は、抜き足差し足で
階段をゆっくりと上った。

若干足が痛いがそこは我慢しよう。


「だ、誰かいますかー?」

「八田堀?」