said RINO

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好きな人を暴露すると、
裕子はやっぱりね、という
反応を見せた。

「あんだけ、接近したら?
普通?好きになるよ」
「そんなものか?」

うんうん、と裕子は相槌を挟む。
先程までの、
涙はどこにいったのやら。

「とりあえず、梨乃!!
伊野君のこと、名前で呼びなさい」
「む、むむむ、無理っ!!!」

今では、伊野って呼ぶだけで緊張しちゃうのに、
名前ときたら、もう心臓爆発しちゃうよっ

「恋愛の先輩からのアドバイスよ。
私、誰よりも
梨乃の恋を応援するから」

裕子の真剣な眼差しが
心に深くささった。

一歩踏み出してみよう。

せっかく、
私と、と、とと、燈紀は
同じクラスなんだから。