「い、伊野っ!!!」 保健室のベッドに寝かし付けられた私は 伊野に 「り、リレーはっ!?」 と大きな声で問いただした。 伊野は焦っている私とは 真反対にニコニコと私に包帯やら保冷剤やらを もってきた。 「大丈夫、42番までに 時間はたくさんあるだろ。 とりあえず、冷やしとけ」 そういって 伊野は私の髪をくしゃくしゃっとすると、 グラウンドへ走っていった。 痛い、痛い。 足も痛いけど、なんだか 動悸がして…… 胸が苦しいほどに痛い。 なんだ、この気持ち