次は学年全員リレーだ。

走るのが苦手な私は憂鬱な気持ちで
グラウンドの中に入った。
自分の順番につくと、私は地べたに腰をおろし、
軽いため息をついた。

走るのが嫌なのは勿論だが、
もっとため息をつきたい理由があった。

「なんか、俺、芋に縁が
あるのかもな……」
「最悪……」

私の次の走者が石田のあほだったからだ。

うちの学校のリレーは一周一人だから、
このあほ石田にバトンを
渡さなきゃいけなくなる。

伊野だったら良かったのに。

走るまでの待ち時間だとか
応援とか、もし前後が伊野だったら
もっともっと楽しかったかもしれないのになぁ……

その当の伊野はまたまたアンカーだった。