****
あれから一週間がたった。
5月初旬。
天気は快晴、まさに運動会日和。
私と裕子は日焼け止めを黙々と塗っていた。
現在、男子選抜リレー中なので
私と裕子は同じテントの下で
男子の応援をしていた。
「修ちゃん、頑張れ!!」
裕子はひたすら自分の彼氏の
応援を続けていた。
私は順番を控えている伊野を
見ていた。
伊野は驚異的な足の速さで
順番はアンカーだった。
たしか50m6.0秒らしい。
私とほぼ、三秒も違う。
「梨乃っ!!!
石田くんが走ってるよっ」
裕子は目をハートにさせながら
1組のアンカー前ランナーを
見つめていた。
あ、
アンカー前って事は………
私は次のランナーを見つめた。
バトンは、石田から、伊野に
手渡され伊野はどんどん、
前の走者を抜かしていった。
パンパンッ
一位がゴールしたという合図の銃声がなり響く。
一位は我等がアンカーの
伊野が手中に収めたようだった。