「でも、意外だなー」

伊野が私の隣に座る。

「何が?」
「八田堀って結構小心者じゃない?」
「ち、違うしっ!!!」


そんな感じで私たちは
ずっと図書室で話していた。
結局、1時間目が終わるまで
話していて、
そろそろヤバいなって
事になったので一旦お開きになった。

でも、
クラスまでの間も、また
ずっと話していた。

「俺、八田堀と話すの、
凄く楽しいんだけど」
「私も伊野と喋んの楽しいよ」
「あのさ」
「ん?」

伊野が私の目を見る。
伊野って絶対人話すとき
目を合わせるのが口癖だな。

「これからも図書室来て
話さない?」
「良いと思う」

私は少し嬉しかった。
気の合う友人が増えたからだ。

「じゃあ、約束ね」

伊野が小指を出す。
照れくさかったが、私も小指を出して
指きりをした。