[ミーン ミーン ミーン]


面談時期だけあって
部活をしている生徒もおらず、
蝉の声だけがよく響く。


体育館の前に1つの
バスケットボールが転がっていた。


[ドクン・・・]


何とも言えない衝動にかられた。
走り出している自分が居て、
目の奥が熱くなったのが分かった。


[ダン ダン ダン ダン]
[ガタン!!!]
[ドン トン トン トン・・・・]


中学の時得意だったダンク。


「ヤベー・・・。
やっぱ昔みたいにはいかねーか。」

転がったボールを目で追う。
その先には美姫が居た・・・。


「カッコイイー!!!」


目を丸くして彼女は言い、
小走りで近付いて来た。