彼女には感謝しても
仕切れない。
俺は彼女を忘れる事なんて
ないと思う。


「・・・そぉかぁ。
進学も就職もしないのか・・・」


「はい。」


蝉の声が鳴り響き、
涼しい風が入ってくる。
夏休み真っ只中、
俺は進路面談で学校に来ていた。


「それで、卒業した後は
どうするんだ?」


「・・・・いえ」


ため息をつく担任を背に
俺は教室を出た。
別に何も決めていない訳ではなかった。
ただ、今話すには
現実味がなかった。