いつも手抜きのトーストパン だけだったから、少しだけでも 手の込んでいるフレンチトーストは、 あたしにとって首を傾げる一番の 理由だった。 「お母さん、何で今日はフレンチトーストなの?珍しいねえ」 「え?だってまゆり、フレンチトースト好きでしょ?新学期頑張ってほしいし…。まあ、期待を込めて、ねッ」 お母さんは、やさしく 微笑みながらウインクをする。 ああ、いつもこうならいいのに。 あたしはひとつ、ため息をついた。