『それは…っ』

「話して欲しいんだ…」

真剣な顔で久家さんは、私に詰め寄った。まだ…言えない。
言ってはいけない、信用出来ない。

『ごめんなさい、まだ言えません』

私は頭を下げ、申し訳なく思いながら言った。
また裏切られるから…。
もう嫌なんだ、あんな思いは…───

「そっか、うん…分かった。」

そう言った久家さんは、切ない顔をしていた。それを見た私は、申し訳ないと本当に思った。

『では、また…』

私は、頭を軽く下げ家の中へと入った。
久家さん、すみません…。