幽霊が恋人。

―数日後―。



今日はとても晴れた日だった。


何度も何度も太陽の光が緑を照っていた。






「琉衣ちゃん。来てくれてありがとね。」



紗由さんは、お葬式の後片付けをしながら微笑む。



「いいえ…。」



私はまだ…慎汰がいなくなったなんて信じたくなかった。



でも…受け止めるしかなかった…





紗由さんはそんな私を心配しながらも、決意したように私に近付く。






「琉衣ちゃん。今日誕生日よね?…慎汰が渡したかったもの…取りに行ってきてくれないかな。」









私に…渡したかったもの…












足を運んでみると、そこは私が知っている場所だった。



桜並木が綺麗な、慎汰と一緒に登校していた思い出の場所…。








…思い出の…場所?



私はそれに気付くと、ある桜の木を捜した。






慎汰が私に告白した桜の木の前…







目に止まった木は、確かにあの時のだった。

近付くと、桜の木にあいた小さな穴の中に箱があった。










「………あ……」



箱を開けると、綺麗なシルバーの指輪。




『私が欲しいのは超高価な指輪だよ!』






「慎…汰……慎汰っ!!」


私は慎汰を捜すように泣き叫ぶ。



ゴォォォオッ



その瞬間、桜の花びらが舞い上がった。






『琉衣…大好きだよ。』









私は微笑む。


慎汰…ありがとう。






私は幸せだよ。



これからもずっと…











《END》