幽霊が恋人。

その時だけ、温もりがあった。


確かに…慎汰はここにいた。





どんどん日が沈む。


涙が何度も頬を濡らした。








『ありがとう…琉衣…。』



「うん…。忘れない………忘れないからぁ…」




最後の太陽の光が…ポゥッと慎汰を包む。




『ありがと…う…』



もう、声も聞こえない。


私は何度も手を延ばす。












最後に…慎汰は口を動かした。











「何て言って……?」












『お』




『も』




『い』




『で』




『の』




『ば』




『し』




『よ』















大好きだ。




これからも…もし俺が消えても、ずっと俺の気持ちは変わらない。


君を愛したその日々は一生俺の宝だよ。









ありがとう。琉衣。






















……光が消えた。