幽霊が恋人。

「……まだ何も…何も始まってないのに…っどうして…!?」


泣き崩れる私を見て、慎汰は重い口を開いた。




『言っただろ?俺の人生は幸せだったって。…琉衣はこれからも“幸せ”が続いていくんだ。だから…』


「私は慎汰がいないと幸せじゃないよ!!慎汰が…慎汰が隣にいてくれなきゃ…」



『そんな寂しい事言うなよっ。…………琉衣は…幸せになるんだ。』






なんでこんなに私の事想ってくれるの?



バカで素直でサッカー大好きで……









「慎汰……好き……好きだよ…。」



慎汰は驚いたように私を見る。





初めて会った時から、ずっと。


初めて一緒に手を繋いで歩いた時も。



デートしたドキドキの日も。



一緒に歩いたあの瞬間も。











『……ちくしょ…琉衣が…初めて“好きだ”って言ってくれたのに……』




慎汰の目から涙が零れる。




『…いっつも俺ばっかりで…でも…照れて恥かしがり屋だからな。琉衣は…。……っ死にたくねぇよ……っ』



慎汰は…死にたくないと何度も繰り返した。


本音を言うのが…怖かったんだ…






「慎汰……」




慎汰は私を抱き締める。