幽霊が恋人。

『あのさ…峰島は何が好き?』



…慎汰……?どうしたの…



あれ…ここどこだっけ。



『だからぁ峰島は何が好き?食べ物とか物とか好みとか…』



ああ…そっか。


これは慎汰と付き合って初めの頃に聞かれた言葉……



『んー…私はねぇ、超~豪華な指輪!私の誕生日近いから聞いてるんでしょ?』


『バレた!てか買えねーよ!小遣い500円の高校生にねだるなよ。』



『ケチ~。』





結局、去年の誕生日はお好み焼きで誤魔化されたけど。




…でも…楽しかったなぁ…。



また行きたいな…。













ぱち。



目が覚めた。



ここは…自分の部屋…?


なんで?病院にいたはずだったのに。



もしかして…全部夢だった?


慎汰が事故に遭って幽霊になって、紗由さんに事実を教えられたことも…



夢だったらどんなにいいだろう。





しかし、起き上がると同時にお母さんが部屋に入ってきた。


「あらあんた目覚めたのね?ビックリしたわよ。急に病院で貧血起こすんだから!」



「ひ…貧血?」





なんだ…夢じゃないんだ。


紗由さんに聞いた後に私は貧血を起こしたらしい。