ガラリと教室のドアが開いてざわついていた室内が静かになった。
そして皆の視線が一気に同じ所に集まる。


わわわ…!


同じ女の子なのに思わず見とれてしまう。



「転校生の高梨恋さんです。皆、仲良くね」



恋さんと呼ばれたその人はペコリと頭を下げて一番後ろの席、私の横に腰掛けた。


綺麗に波打つ髪。
近くで見るとお人形さんみたい。



「笹木さん、高梨さんに色々教えてあげて下さいね」


「あっ、は、はいっ」



先生にいきなり名前を呼ばれて大きい声で返事をしたからか皆がクスクスと笑っていた。


う、恥ずかしい……。