すると、修二と話してる時間がこんなにも早く過ぎるなんて思いもしなかった郁美・・。

「あのさ、明日時間ある?」

「明日?うん、大丈夫だけど・・。」

「陽子がさ家に来てくれって。郁美も一緒に。」

「あたしも?何だろうね?」

「さあ・・。俺も詳しい事は聞いてないけど・・。」

「そっかあ・・。うん、良いよ。明日は、何もないし。」

「じゃあ、午後にでも行こうか。」

「うん!(^^)」

今日も沢山修二と話したのにまだ話足りない郁美。

それは、修二も同じだった・・。

すると・・。

「あ!郁美、電車来たよ。」

「え?あ、うん・・・。」

弱弱しい返事に修二は・・・。

「どうした?」

「あ、ううん・・。」

修二のシャツの裾を掴みながら俯く郁美。

『もう少し一緒にいて。』

その一言が言えない自分がいた。

そんな郁美の様子を見た修二。

「じゃあさ、45分のに乗れよ。終電乗り過ごすからさ。」

「う、うん(^^)」

そんな郁美の様子が分かったのか、郁美の手を繋いで

いる修二。

郁美が今どうして欲しいのかを理解してくれた。

そんな些細な事が郁美としては、凄く嬉しかった。

駅のベンチに座りながら話してる郁美と修二。

ホームには、人もちらほら居る位だった・・。

「でもさ、今日久々に楽しかったよ。」

「そうだね、あたしも色んな人と話せたし。」

「まあな。陽子の友達も初対面だからさ。」

「そうなの?直人もあんなに親しく話してたじゃない?」

「ああ、あいつとも初対面だよ。俺の友達は、剛と佐野だけだし。」

「へー。そうなんだ・・。でも、皆面白い人がばかりだから笑いが止まらなかった。」

笑顔で話す郁美。

雨の日に出逢った時の郁美は、泣いていたけど、

修二と出逢ってから

少しずつ笑顔を取り戻していた。

修二も郁美と出会い今までと変わった自分がいた事に

改めて気づき始めていた。